Pediatric orthodontics

小児矯正について

遺伝によって親子の顔立ちが似るように、顎の骨格や歯並びも親から子へ引き継がれることもあります。しかし、歯並びの乱れの原因はそういった骨格などの遺伝だけではありません。乳歯時期の虫歯、頬杖や指しゃぶりなどのクセ、柔らかい物ばかり食べる習慣などの生活環境が大きく影響を与えます。
欧米では多くの人が子供の頃から矯正治療を受けさせています。それはきれいな歯並びがお子さまの将来においてプラスに働くという考えが常識となっているからです。

当院のお子さまの矯正治療は正常な噛み合わせにするために、歯を削ったり抜いたりすることは基本的にありません。お子さまの口元が気になるようでしたら、お気軽に当院までご相談ください。

悪い歯並びが及ぼす影響

歯への影響

虫歯や歯周病になりやすい

歯並びが悪いと歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなり、歯みがきの効率も悪くなります。汚れが残ってしまうと虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、口臭の一因にもなります。

歯科治療の効率が悪い

歯並びが悪い状態や咬み合わせが正常ではない状態だと、矯正治療以外での一般的な歯科治療も難しくなり、治療効率が上がらないことがあります。

身体への影響

咀嚼しづらく、発音しづらい

食べ物をきちんと噛むことができず、顎の関節や胃腸などの消化器官へ大きく負担をかけます。また、歯と歯の間に隙間があると空気が抜けたり、歯が舌の動きを制限して発音がうまくできず、話しづらくなることがあります。

身体の成長に悪影響を及ぼすことも

歯並びが悪いと、成長期のお口の筋肉や骨自体の成長や発育を阻害します。顎の関節障害の原因になったり、咀嚼機能(咬むこと)の発育不良により、身体全体の発育の遅れにつながる場合があります。

心への影響

精神的なストレスを感じやすいかも

口元や歯並びが気になって人前で笑うことができないなど、精神的な負担やコンプレックスを与える場合があります。また全身のバランスが崩れて、頭痛や肩こりの原因になる場合もあります。

子供の歯列矯正の
ステージは2つ

子供が歯列矯正を行う場合、第1期矯正治療と第2期矯正治療の2つのステージに分けて治療を行います。
第1期治療では、あごの成長の促進や抑制を行ういわば「歯の土台づくり」を促します。前歯が生え変わった7~8歳頃から始めることが多く、でこぼこの歯にならないようにあごの骨を広げたりします。
第2期治療は、すべての歯が永久歯になってから行う「仕上げの矯正」で、通常は中学生頃から行います。すべての歯がしっかりと咬むように個々の歯の位置を整えていきます。すなわち、第1期治療は骨の治療で、第2期治療は歯の治療と言えます。

  • ステージ1 第1期治療

    「第1期治療」はいわば「歯の土台作り」です。
    前歯が生え変わった7~8歳頃から始めることが多く、この治療を適切に行うことで、その後の永久歯列を正常に導くことができます。

    治療は簡便で、自分で取り外しのできるマウスピースのような装置を使用する場合が多いです。費用負担も最小限に抑えられ、第1期治療だけで治療が完了できる場合もあります。

  • ステージ2 第2期治療

    「第2期治療」は「仕上げの矯正」です。
    永久歯が生えそろってから行うことが多く、プラケットと呼ばれる器具を歯に接着し、その上にワイヤを固定して行います。一般的な成人の矯正もこれに相当します。

    成人の場合、期間は2~3年を要し、費用は100万円程度になることもあります。 

当院で使用する矯正装置

マウスピース矯正(プレオルソ)

受け口を治療するマウスピース型の矯正装置

下の歯が上の歯より前に出ている状態を受け口(反対咬合)といいます。
そのままにしていても自然に改善される可能性は低く、下あごの骨が成長しすぎると手術になるケースもあるため、受け口のお子さまの場合は少しでも早く矯正治療を始めることを推奨します。

当院では小さいお子さまの場合はマウスピース型の装置を就寝時に装着する、お子さまに負担の少ない方法で矯正していきます。

マウスピース矯正(プレオルソ)のメリット
  • 歯を抜いたり、外科手術を行う必要がない。
  • 主に就寝時に装着するため、食事や人前に出る時は取り外しが自由にできる。
  • 痛みがほとんどなく、お子さまもストレスなく治療ができる。
  • 費用が安価。

拡大床

お子さまの成長を利用した抜歯しない矯正

「拡大床」は顎の骨が柔らかい内に装着することで歯槽骨と呼ばれる部分を広げ、歯列の横幅を広げたり、数本の歯を移動させるための装置です。顎の真ん中の部分に拡大ネジと呼ばれる器具を取り付けて、徐々にネジの幅を広げていくものです。第1期治療で使用します。

ネジによって歯の土台となる歯槽骨が押し広げられ、歯の間隔も広がっていきますが、顎自体が大きくなるわけではありません。

拡大床のメリット
  • お子さまの成長を利用して歯がきれいに並ぶように誘導できる
  • 痛みがほとんどなく、お子さまもストレスなく治療ができる。
  • 主に就寝時に装着するため、食事や人前に出る時は取り外しが自由にできる。
  • 成人矯正に比べてとてもお手頃価格。
  • 歯を抜かなくても矯正ができる可能性が高くなる。

ブラケット矯正

ワイヤーを利用した抜歯しない矯正

第1期治療で、顎の形や大きさを矯正して歯の土台づくりができた後、永久歯が生えそろってから行う第2期治療で使用するのがブラケット矯正です。歯の表面にブラケットと呼ばれるボタンのような留め具を装着し、そこにワイヤーをくっつけます。大人の一般的な矯正法でもあります。

ブラケットは金属製のものが主流ですが、白色や透明色の審美性の高い目立ちにくいブラケットもあります。

ブラケット矯正のメリット
  • 歯が移動しやすいので治療の期間が短く済む。
  • ブラケット周りの汚れが目に見えるので歯磨きを積極的に行える。
  • 歯を抜かなくても矯正ができる可能性が高くなる。

料金案内

  • 矯正装置料

    小児マウスピース矯正
    (プレオルソ)
    132,000円
    小児矯正 1期(床矯正) 440,000円
    小児矯正 2期(ブラケット矯正) 440,000円

    ※料金はすべて税込表記です。

  • 検査・処置

    検査診断料 33,000円

    ※料金はすべて税込表記です。

小児矯正の症例

子供の歯ならび矯正

症状 歯並び
治療法 歯列矯正治療
費用 自由診療 検査32,400円 小児矯正1期324,000円(月1回処置料5,400円)
通院回数 期間:1年5ヶ月(まだ経過観察が必要)
備考 黒い★印は左右の乳犬歯(子供の歯)で、 この間に中切歯2本と側切歯2本の合計4本の永久歯(大人の歯)が並んでほしい! しかし、こちらの写真では3本しか並んでいません。 緑色の★印は下顎中切歯(大人の歯)、黄色の⇩矢印は乳側切歯(子供の歯)です。 水色の⇩矢印の部分には隙間がなく、合計4本の永久歯(大人の歯)が並ばないことが分かります。