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残っている歯を守るための部分床義歯

歯を失わないようにすることが一番ですが、
さまざまな原因で歯を失ってしまうことは避けられません。
歯周病やう蝕(ムシ歯)、怪我などでも歯を残すことができず抜歯が必要なことがあります。
大事なのはそれ以上に歯を失わないように予防することです。

さて、失った部分を補う方法が何種類かあります。
その一つに義歯(入れ歯)があります。
部分的なものを部分床義歯、全ての歯を失った場合の総義歯(総入れ歯)と言います。
固定式のブリッジやインプラントができない場合にずっと以前から選ばれてきた補綴装置です。
(補綴:歯の欠損部に入れ歯をしたり冠をかぶせたりして、歯の働きを補うこと)

こちらの患者さんは2014年に当院を受診されました。
下顎は数本の歯を残すのみで部分入れ歯を使用しています。
右下の奥歯はどうしても保存ができずに抜歯となり、前歯に関しても動揺があるため長くは持たないかもしれないと説明しました。

一旦保険適応の部分床義歯を作製し使用していましたが、前歯の動揺が少しずつ大きくなってきたように感じました。
この歯を失ってしまうと総義歯(総入れ歯)です😢
保険の義歯は基本的にプラスチック製で金属の補強線を入れても咬む力によってたわんでしまいます。
そうすると金具を引っ掛けている前歯を痛めてしまう可能性があり、抜歯が必要になるかもしれません。

「前歯だけでもなんとか残したい」と希望されましたので金属床義歯を提案し同意が得られました。

完成時の状態です。

金属床でたわみが少なく、前歯のクラスプは無理な力が加わるとその力を逃すように設計されています。
2018年1月末に完成し、その状態のまま使用していただいています。
不安だった前歯も少しは動揺するものの、痛みや腫れもなく順調に経過してくれています。

日頃のお口のケアもとても熱心にされており、定期的にスケーリングや義歯の状態をチェックに来院していただいているので大きなトラブルなく経過してくれているのだと思います。

この状態でずっと過ごしていただきたいな〜と思いながらブログにさせていただきました。
これからも元気なお顔を見せに来院してください。
よろしくお願いします!

 

 


症状:入れ歯
治療法:金属床による部分床義歯
治療期間:作製約1ヶ月 完成後5年経過(2023年)
費用:237,600円(自由診療2018年当時)