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歯髄をできる限り残したい!

むし歯が進行すると、歯髄(歯の神経)が細菌により炎症を起こします。
歯髄炎と言われる状態ですが、これには、
可逆性(元に戻る)歯髄炎と
不可逆性(元に戻らない)歯髄炎とがあります。

不可逆性歯髄炎となってしまうと、歯髄が腐敗し、根尖の骨を傷めたり歯茎が腫れたり膿が出たりします。
その場合は「根管治療」が必要で、腐敗した歯髄を除去して、消毒する処置が必要となります。

一方、可逆性歯髄炎は原因を取り除くことで正常な歯髄に戻ってくれる状態なので、
根管治療はせずに保存していけます。

歯髄が健康的な状態であればできる限り歯髄を保存していくことが歯の寿命を永らえさせると考えています。

 


 

むし歯は取り残しが無いようしっかりと除去すること、
歯髄はできる限り保存することを心がけています。

症状がないむし歯でも感染している部分をしっかり除去すると歯髄が露出することがあります。
そんな時に有効な覆髄材料がMTAセメントです。

MTAセメントは生体親和性に優れており、強アルカリ性で殺菌効果が期待でき、膨張しながら硬化するので封鎖性に優れています。また修復象牙質の形成を促進させてくれます。

様々なメリットが多い材料ですが、デメリットとしては保険診療では認められていない材料なので、
自由診療となり治療費が高額になります。
(当院の治療費32,400円〜43,200円消費税8%含む)

 


 

以前にも別症例で紹介していますが、今回も同じように
再感染を防ぐためにラバーダムをして、慎重にむし歯を除去したところ歯髄が露出しました。
もともと歯髄の症状は少なく、電気歯髄診で反応があったので正常な歯髄と判断し、積極的に保存をしました。

術後に痛みなどの症状はなく、歯の形態を修復して日常生活を送っていただいています。
(術後に痛みを感じる患者さんもいらっしゃいますが、次第に症状はなくなっていくことが多いです。)

 


 

むし歯は症状なく進行し、症状が出た時にはかなり進んでいることが多いです。
定期的に歯科医院でチェックしましょう!