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根管治療後も経過観察が大切です!

令和2年1月に来院された患者さんです。
元々の病歴が、
①3〜4年前に治療した。
②3ヶ月後冷たいもので激痛あり、しかしその時だけでむし歯ではないと診断された。
③そのまま経過観察であったが1年経過したときに、咬むと痛みが出るようになった。
強い痛みではなかったので経過観察となった
⑤さらに1年が経過し、痛みが強くなった。

ということで転院されて当院で小さなレントゲン写真を撮影しました。
真ん中の歯の根の周りが黒く写っていて、根尖病巣の疑いがあると診断しました。
(↓治療前のレントゲン写真)

治療した後に次第に神経(歯髄)を傷めてしまったのではないかと推測します。

治療としてはまず銀の詰め物を外して、歯髄の反応を確認します。
削っていっても痛みの訴えなく歯髄の部分まで到達してしまいました。
歯髄はすでに変性してドロドロになっていました。
(↓治療中のレントゲン写真)

根管治療を開始、消毒を繰り返し行い、
4回目の治療の時に症状は治っていましたので、
根管充填を行いました。
(↓根管充填後のレントゲン写真)

4ヶ月ほど経過したときに「左上に痛みほどではないが、違和感がある」
とのことで再度レントゲン写真を撮影。
以前のレントゲン写真と比べて、根尖の黒い部分はなくなってきています。
骨が回復してきているかと思いましたので、噛み合わせの調整をして経過観察としました。
(↓根管充填後4ヶ月経過のレントゲン写真)

さらに3ヶ月後(根管充填後より7ヶ月経過)
また痛みが出たとのことですが、根尖は白く写っていて、
骨の状態は良好になってきていそうです。
(↓根管充填後7ヶ月経過のレントゲン写真)

 

ご本人に説明の上、経過観察を続けていきます。
食いしばりや歯軋りが影響しているかもしれないので、
噛み合わせのチェックをしていきながら、他の原因がないかも慎重に診査していきます。

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症状:左上咬むと痛い
治療法:根管治療、CAD/CAM冠
治療費:保険診療
治療期間:初診から8ヶ月(根管治療は約1ヶ月)

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一度治療した歯は人工物で補っているだけ、完全に元の状態(組織)になるわけではいので、
トラブルが起きないようにケアしたり、調整が必要と考えています。

最低1年に1回は歯の健診やメンテナンスを、
歯肉の状態については3〜4ヶ月に1度チェックを
受けることをオススメします!