こんにちは。西宮市高松町「西宮北口駅」より徒歩1分にある歯医者「西宮北口 歯医者 H&L」です。
「歯周病ってどんな病気なの?」「歯周病にはどんな治療法があるの?」など、疑問や不安に思う方がいるかもしれません。歯周病は日本人の多くが悩む病気の一つであり、進行すると歯を失う原因にもなります。
初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行していることも珍しくありません。歯周病が重症化すると、基本治療では対応できないため、外科治療が必要になることがあります。
歯周病の外科治療と聞くと不安になる方がいるかもしれませんが、様々なメリットもあるので、治療前に把握しておくと安心して治療に取り組めるでしょう。
今回は、歯周病の外科治療のメリットや注意点、費用などについて解説します。
歯周病の外科治療とは
歯周病の外科治療には主に以下の4つの方法があります。それぞれ見ていきましょう。
フラップ手術
歯周ポケットが深くなると、通常のスケーリングでは歯石の除去が難しくなります。そのようなときに行われるのがフラップ手術です。
フラップ手術は、歯茎を切開して、歯周ポケットの奥深くに付着した歯石を目で見て取り除く手術です。この手術を行うことで、歯周ポケットを浅くする効果が期待できます。
歯周組織再生療法
歯周組織再生療法とは、歯周病によって破壊された歯周組織の再生を促す治療法です。歯周組織再生療法には、主に以下の3つの方法があります。
リグロス法
細胞を増やす成長因子を主成分としたリグロスという薬剤を使用し、歯周組織の再生を促進する治療法です。歯周病で破壊された部分に薬剤を塗布し、歯周組織の再生を促します。保険が適用されるため、費用を抑えられる点がメリットです。
エムドゲイン法
エムドゲインは豚由来のたんぱく質を主成分とした薬剤です。この薬剤を歯周病で破壊された部分に塗布することで歯周組織の再生を促します。手術の方法はリグロス法と同じですが、エムドゲイン法は保険適用外の治療法です。
GTR法
GTR法も、歯周病で失われた歯周組織を再生させるための治療法です。歯周病によって破壊された部分に人工膜(メンブレン)を挿入し、歯肉の侵入を防ぎながら、歯周組織の再生を促します。
歯肉切除術
歯周病で増殖した歯肉を切除する手術です。この手術により、プラークコントロールがしやすくなり、炎症を起こした歯周組織の改善が期待できます。
ただし、歯肉を切除するため、歯肉の位置が下がり、歯根が露出する可能性があります。
歯周形成手術
歯周病により下がった歯茎を再生させたり、形を整えたりする手術です。見た目を改善できるだけでなく、プラークコントロールも容易にできるようになります。また、ほかの部位から健康な歯肉を採取し、歯肉が不足している部分に移植することで歯肉の再生が可能になります。
歯周病の外科治療を受けるメリット
以下では、歯周病の外科治療を受ける主なメリットについてまとめています。
炎症の根本的な原因を除去できる
歯周病の外科治療では、基本治療では除去しきれなかったプラークや歯石を直接目視で取り除きます。炎症の原因となるプラークや歯石をしっかりと除去できる点は大きなメリットといえるでしょう。
歯茎の腫れや出血などの症状の改善だけでなく、歯肉の改善も見込めるため、口腔内の健康状態が大きく向上するでしょう。
歯の保存につながる
歯周病の外科手術により感染源を除去し、歯周組織の再生を促すことで歯を残すことが可能になります。ご自身の歯を残すことができれば、食事や会話を楽しむことができ、生活の質も高まるでしょう。
見た目が改善する
歯周病が重症化すると、歯茎が痩せて下がり、歯が長く見えることがあります。口元の印象が大きく損なわれますが、外科治療を受けることで健康な見た目の口元を取り戻せる可能性があります。
歯周病の外科治療を受けるときの注意点
ここでは、歯周病の外科治療を受ける際の注意点について詳しく解説します。
術後に腫れや出血などが現れる可能性がある
手術中は局所麻酔を使用するため痛みはありませんが、術後に痛みや違和感が発生することがあります。痛みがあるときは患部を冷やしたり、痛み止めを服用したりすることで対処できますが、不安な方は歯科医師に相談しましょう。
また、術後に傷口から出血することもあります。通常は問題がありませんが、血が止まりにくい方や抗凝固薬を服用している場合は注意しなければなりません。細菌感染を防ぐために、しっかりと口腔ケアを行うことも大切です。
生活習慣の見直しが必要
喫煙は歯茎の血流を悪化させ、傷の治癒を遅らせるだけでなく感染症のリスクも高めます。そのため、治療前後には禁煙することが重要です。
また、糖尿病などの全身疾患がある方は、外科治療が身体に負担をかける可能性があるため、かかりつけ医と歯科医師に相談することが重要です。生活習慣の見直しを含めた総合的なケアによって歯周病の外科治療の効果を得られます。
知覚過敏の症状が現れることがある
外科治療で歯茎が下がり、歯の根元が露出すると、知覚過敏の症状が現れる可能性があります。熱いものや冷たいものを口にしたときに一時的に痛みが出る場合がありますが、時間の経過とともに改善されるケースがほとんどです。
ただし、知覚過敏の症状がなかなか改善されない場合は、歯科医師に相談しましょう。
歯周病の外科治療の費用
歯周病の外科治療の費用は、治療法によって異なります。それぞれの費用について、以下に詳しく解説します。
フラップ手術の費用
フラップ手術の費用は、保険適用の場合と自費診療の場合とで大きく異なります。保険適用の場合の目安は1本あたり2,000円〜7,000円程度、自費診療の場合は1万円〜10万円程度が相場です。治療が必要な本数や口腔内の状態によっても費用は変動します。
歯周組織再生療法の費用
リグロス法は保険が適用され、3割負担で7,000円〜9,000円程度が相場です。GTR法は、保険適用の3割負担の方で1本あたり5,000円〜1万5,000円程度、自費治療の場合は1本あたり5万円〜10万円程度が目安になるでしょう。
エムドゲインは、自費診療のため全額自己負担です。一般的に5万円~10万円程度が相場とされていますが、歯科医院によって費用は異なります。
歯肉切除術の費用
歯肉切除術の費用は、手術方法や切除範囲、歯科医院によって大きく異なりますが、10万円〜30万円程度が目安とされています。保険適用外の自費診療となるため、具体的な費用は治療を始める前に歯科医院で確認しましょう。
歯周形成手術の費用
歯周形成手術の費用も治療範囲や歯科医院によって大きく異なります。一般的には、1部位1万円〜5万円程度が目安となります。保険が適用されるケースもありますが、内容によっては自費治療となります。
歯周病の外科治療ができないケース
ここでは、歯周病の外科治療ができないケースについて解説します。
重度の歯周病の方
歯周病が進行しすぎていて、歯槽骨の吸収が甚だしい場合は、外科治療が受けられない可能性があります。すでに歯が抜けそうなほどグラついている方は、抜歯を検討する場合もあるでしょう。
全身疾患を抱えている方
心疾患や糖尿病などの全身疾患のある方は、手術中に急変するリスクや合併症を引き起こす可能性があるため、外科手術が難しいケースがあります。また、血液をサラサラにする抗血栓薬を服用している方は、大出血を起こす可能性があるため外科治療は難しいです。
ただし、どのような場合でも自己判断はせず、かかりつけ医と歯科医師に相談して決めるようにしましょう。
妊娠中の方
妊娠中でも一般的な歯科治療は受けられますが、外科治療は妊婦さんの身体に負担がかかるため避けたほうが良いとされています。安定期に入れば治療を受けられるケースもありますが、担当の歯科医師と相談のうえ治療方針を決めるのが良いでしょう。
喫煙者
喫煙は歯周病の進行を加速させるだけでなく、手術後の回復を遅らせる大きな原因になります。
特に、歯周組織再生療法は、血流の影響を受けやすいため、喫煙者では成功率が下がる可能性があります。そのため、外科治療を希望する場合は、禁煙が求められるのです。
セルフケアができない方
歯周病の再発を防ぐためには外科治療後のセルフケアが重要です。セルフケアが苦手な方が外科治療を受けても、歯周病が再発するリスクが高いため、治療前にケア方法を改善する必要があります。
まとめ
歯周病の基本的な治療は、ブラッシング指導やスケーリングなどで口腔内の汚れや細菌の数を減らすことです。
しかし、歯周病が進行していると基本治療だけでは対応できず、外科治療が必要になることがあります。特に、深い歯周ポケットがある場合や歯槽骨の吸収が進んでいる場合には、外科的なアプローチが必要です。
歯周病を放置すると歯を失う可能性があります。セルフケアと定期的な検診を欠かさず、口腔内の健康を維持しましょう。
歯周病にお悩みの方は、西宮市高松町「西宮北口駅」より徒歩1分にある歯医者「西宮北口 歯医者 H&L」にお気軽にご相談ください。
当院は、生涯にわたる健康を重視して診療にあたっています。マウスピース矯正や予防歯科、インプラント、ホワイトニング、虫歯・歯周病治療など幅広く診療を行っています。